Q.税金の分割払いは可能か?
A.可能です。ただし、事前に相談をしなくては駄目です。
事前相談もせずに支払わなければ、差押を受けても文句は言えません。
差押が自社の預金であれば救いがありますが、取引先への売掛金や店舗の保証金など、取引先や大家へその事実が伝わってしまえば、営業自体が困難になる可能性がありますので、必ず、分割相談に行くべきです。
税金の支払先は、主に3つです。(23区の場合は2つ)
- 税務署(国) ・・・ 法人税、消費税、源泉所得税
- 都税(県税)事務所 ・・・ 事業税、県民税等
- 市役所 ・・・ 市民税
税金は、一括払いが原則ですが、どの役所も分割納付の相談には応じてくれます。
納付誓約書などを書かされたりすることもありますが、分割納付は可能です。
どの程度の分割を認めるかは、金額や返済能力によりますが、通常は最長で1年です。
これは、あまり長い分割納付を認めてしまうと、次の決算・申告の時期が来てしまい、結局、滞納額が積み重なってしまうためです。
以前は、分割納付をお願いすると、例えば、月10万円の納付書3枚を渡されて、3ヶ月間の納付状況を確認し、無事3回分の納付が終わった時点で、再度、分割納付の相談を行うような流れが多かったです。
最近は、分割納付計画書や換価の猶予申請書の提出が求められます。
これらの書類には先1年間の納付計画を記載します。
https://www.nta.go.jp/taxes/nozei/nofu/24200039.htm
現在の財産の状況、入金、支払の見込などから、毎月返済可能額を計算します。
仮に、滞納税金が200万円、返済に回せる金額が毎月10万円の場合、1年では終わりませんから、毎月10万円×11ヶ月、12ヶ月目に90万円と記載します。
12ヶ月後に再度分割相談し、納付計画書も再作成することになります。
分割納付中に新たに発生する税金がある場合、新規発生分は通常通り納めるように言われます。
分割納付分+新規発生分の納付を求められるので相当キツイですが、新規発生分を滞納すると、いつになっても残高が減らないため、税務署はそのように指導せざるを得ないのです。
上記の分割納付の例は、税務署の場合です。
都税(県税)事務所や市役所の場合は、かなりの温度差があります。
特に、昨今の地方財政の悪化が影響しているか分かりませんが、都税(県税)事務所や市役所は、分割相談していなければ、早い時期に差押をしてくる傾向があると感じています。
実際にあった事例ですが、都民税7万円のみ支払が遅れているお客様で、金額が少なかったので放置していたところ、預金ではなく、一番の得意先の売掛金を差し押さえられた例がありました。
この影響で、取引先との関係は悪化、取引停止になってしまいました。
たった7万円ですが、こうなると再起不能です。
税金を一括払いできず、分割払いしたい場合は、必ず事前相談してください。
税務署に出向き、受付で分割相談したいと伝えても構いませんが、事前に電話予約してから出向く方がスムーズです。